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令和7年度学位記授与式 学長式辞

この度、学位記を授与された学部卒業生872名、修士課程?博士課程等の修了生378名の皆さん、誠におめでとうございます。本学を代表し、皆さんのこれまでの不断の努力に心より敬意を表し、お祝い申し上げます。修士課程の皆さん、医学部医学科の皆さんが学部に入学した2020年は、コロナパンデミックで緊急事態が宣言された最中でした。入学時や在学期間の前半において、対面での語らいや実践的な学びが制限されるという、厳しい試練を経験したのではないかと思います。しかし皆さんは、その通常とは異なる環境を、知恵と忍耐を持って克服し、今日この日を迎えました。この「コロナパンデミックからの離脱」と「新たな日常の創造」を成し遂げた経験は、これからの不透明な時代を生き抜く、皆さんのしなやかな強みになると確信しています。

これから、私が皆さんに希望することを五つお話したいと思います。

第一に、君たちの人生、存分に生きて下さい。この春から皆さんは、さまざまな分野で仕事についたり、さらに学問を究めるために進学したり、それぞれの決めた道を歩み始めます。どうぞ毎日を誠実に、心を込めて生きて下さい。小説家の辻 邦生氏が『夏の砦』という小説の中で、「私たちがこの世にあるということは、私たち一人ひとりに与えられた世界を、深く、意味深く生きることに他なりません。」と言っています。つまり、皆さんがこの世の中に存在すること、皆さんの人生に真の意味を与えることができるのは、実は皆さん自身なのです。おそらくこの行為は、生成AIにはまず不可能であり、人間のみに出来る唯一の精神活動ではないでしょうか。「自分とは何だろう」「自分が生まれて来た意味は何だろう」「どうしたら自分は世の中の役に立てるのだろう」など、自分なりの「問い」を持ち続け、それに対する「答え」を探求して下さい。その問いはどんなに小さくてもかまいません。その様な姿勢が、皆さん自身の人生を意味深いものにする大きな力になるはずです。

しかし、「自分自身の人生を生きること」は、決して「わがままに生きること」ではありません。専門知識を携えて社会に羽ばたく皆さんに、併せて大切にしてほしいのは「正義」の心です。混迷する世界、複雑に利害が絡み合う社会において、何が正しいのかを見極め、倫理観を持って行動することは容易ではありません。本学で真理を探究してきた皆さんには、常に正義を重んじ、誠実な歩みを止めてほしくないと願っています。

第二に、これまで皆さんを育んでくれた両親や身近な人びとに感謝して下さい。今日の皆さんは立派に成長し、一人で生きていけるだけの知力、気力、体力にあふれています。ところが皆さんはすべて、目も見えず、ただ泣いて眠るだけの赤子としてこの世に生まれてきました。将来皆さんも子育てをしてみれば理解できますが、人間の赤子は、親が一生懸命に世話をしなければ一日たりとも生存できません。また、皆さんの心に人を思いやる気持ち、人に対する優しさがあるとすれば、その根底にあるのは、赤子の時に皆さんの親が注いでくれた無私の愛情なのです。どうぞ今日は、皆さんの両親、皆さんを育ててくれた大切な人びとに、心から「有難うございました」と言って下さい。

第三に、今皆さんのまわりに座っているクラスメートを愛して下さい。クラスメートとは、単に青春を共に過ごした懐かしい友人ではありません。皆さんの今後の人生の中で、たとえば結婚や子育て、仕事上の成功や挫折など、人生の同じ景色を眺めながら生きていくかけがえのない友人なのです。時には喜びを分かち合い、時には励まし合い、時にはインスピレーションを与え合いながら、共に人生を歩み、その意味を探求していって下さい。

第四に、皆さんの母校、福井大学を一生愛して下さい。本学で学んだこと、出会ったさまざまな人びと、経験した喜びや試練は、君たちが人生を歩んでいく礎になります。また、母校は母港、母なる港でもあります。将来、単に懐かしくなった時にはもちろん、恩師に会いたくなった時、あるいは新たな学びが必要になった時、いつでも戻ってきて下さい。大学をあげて皆さんを歓迎します。

そして第五に、一生学び続ける人間であって下さい。本学は「卓越高度専門職業人」の育成をミッションとしています。教育学部では教員、医学部では医療のプロフェッショナル、工学部ではエンジニア、国際地域学部では地域と世界の双方を理解し行動できる企業人や自治体職員といった、社会で活躍する人を育てることが本学の使命です。そしてこれらの専門職業人に求められる最も重要な素養が、「一生学び続ける意欲」を持つことなのです。私たちは今、Society 5.0という大きな変革期におり、これまでの常識や職業の形が大きく揺れ動く時代に生きています。このような不透明な時代だからこそ、自分自身の専門知識を絶えず磨き、深め、アップデートすると同時に、異なる分野の人びととも手を取り合える広い視野と柔軟な適応力を持つことが欠かせません。本学で培った卓越高度専門職業人としての矜持を胸に、どんな変化も自らの成長の糧にしながら、激動の時代をしなやかに生きていって下さい。

最後に、留学生の皆さん、明日からは皆さんの母国や日本、あるいは世界の国々で存分に活躍して下さい。そして世界と日本、世界と福井をつなぐ懸け橋になって下さい。私の国際交流のモットーは、”To know each other, to respect diversity, and to nurture friendship”、つまり「お互いを知り、多様性を認め合い、友情を育む」です。多様な背景を持つ人びとへの「共感性」こそが、これからの国際社会をより良い方向へ変えていく原動力だと思います。皆さん一人ひとりが、福井大学にとってかけがえの無いアンバサダーです。是非、皆さんの母校が国際交流をより一層発展させるために、皆さんの力を貸して下さい。

結びに、入学時から見違えるほど立派に成長し、今まさに母校を巣立っていく卒業生、修了生の皆さんに、心からの拍手を送ります。謙虚な心を持ちつつも、本学卒業生としての誇りを胸に、未来へ向かって颯爽と踏み出して下さい。皆さんの前途が幸多からんことを祈念し、式辞といたします。

令和8年3月23日
福井大学長 内木宏延

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